SPINNUTS


スピナッツ出版について

スピナッツは“Spin紡ぐ+Nuts夢中になる”の二つを繋げて作った言葉です。
情報誌SPINNUTSは、1985年に16頁30部から始まりました。その「紡ぎに夢中」という気持ちを大切に、暮らしを紡ぐ衣食住に視界を広げた雑誌を目指しています。

さて羊は、人との8000年と言われる歴史の中で、その毛から糸を紡いで服を作り、毛皮は敷物やコートにし、乳からはチーズを作り、もちろんその肉で空腹を満たしてきました。モンゴルの人は、羊毛から作ったフェルトの家、ユルト(ゲル、パオ)に住んでいます。
今、ペットボトルから作るリサイクルのフリースが注目されていますが、そのずっと昔から羊毛製品はリサイクルされてきました。すなわち現在も愛知県一宮などでは、古くなったウールのセーターを、もう一度ほぐして反毛にする工場が稼働しています。
また1986年のチェルノブイリ以降、英国のシェットランド島の羊から、高レベルの放射能汚染が検出されました。その後8年経っても1000ベクレル/hを超える羊毛が日本にやってきていた事は衝撃でした(スピナッツ80号掲載)。
素材の原点に触れるということは、まさに地球環境を肌で感じるということ。そこから自分は何を考え、何を行動するかが問われます。

このスピナッツは、手芸に夢中な羊マニアだけじゃない、8000年の昔に思いをはせるロマンティックな羊物語や、伝統の技術を掘り下げるディープワールドだけじゃない。現代に生きるリアルな羊と羊毛を、いろんな角度から掘り下げていきたいと思います。羊をめぐる衣食住、すなわち人の暮らし全て、スピナッツの土俵はワールドワイドに広がります。


最新号のご紹介

スピナッツ96号
Sheep&Wool 羊毛のある暮らし

2017年1月24日発行

96号のテーマは「めぐる」。衣食住の、素材から始まる物作りの工程をたどり、使い切って、リサイクルする。モノが循環することを視界に入れた「物作り」を考えたいと思います。今回の特集は「反毛・ウールの再生」と、「羊毛洗い」。物作りの循環を考えること、それは持続可能な暮らしをめざすことでした。

特集「羊毛産業を循環・再生させるひと」
ウールのリサイクル・反毛の現場2016

糸屑や古着をほぐし、再び衣料のファーストステージに蘇らせるウールのリサイクル・反毛は50年余りの歴史。ペットボトルよりはるかに昔、リサイクルという言葉も知られていなかったころから産業として成立していました。物作りと物流のシステムが激変したこの30年を乗り越え、淡々と羊毛産業を支える人々。そこにはファストファッションの「欲しい時に、欲しい色を、欲しい素材で、欲しいだけ、速く、安く」とは違う考え方がありました。これからの物作りの指標が、反毛から見えてきます。

特集 羊毛を洗うpart3
洗剤5種を使って洗い比べてみる

スピナーにとって最初の難関は「羊毛洗い」。泥などの汚れ具合、また品種によっても脂の含有率が違う羊毛の、洗い方を実験。洗剤も5種使って洗い比べてみました。3ヶ月にわたる実験で見えてきたことは、洗剤の量ではなく、洗い方でした。少ない洗剤で、効果的に、手間なく、羊毛を洗うにはどうすればいいか。羊毛に携わる人必見の特集です。

連載・OMON CHANのページ 最終回
Un peu 27「ありがとう」

スピナッツ10号(1988年)に始まり、一度も欠かさず87回続いてきた猿澤恵子さんのエッセーが今号で最終回になります。このスピナッツのイメージであり、羊と糸紡ぎの魅力に、共にのめり込み、歩んできた同志であるだけに一抹の寂しさはぬぐえません。でも時代は変わる。次のステップに踏みだす節目と考えて…。次号からは暮らしの色々なことを紹介する小さなコラムで登場の予定です。

【タテ書き目次】
・手紡ぎの風景 95 「めぐる」 本出ますみ
・特集・「羊毛産業を循環・再生させる人」ウールのリサイクル・反毛の現場2016
・連載・庭木の恵み 25「葡萄」その1 石田紀佳
・連載・糸紡ぎの情熱をさがして 02 ひとえ「糸は表現」 まきもの工房 山下じじ
・CREATIVE FELT ASSOCIATION「斜めに置いたらマジック」 福島香代子
・ポーランドヤノフ村の絵織物~柔軟で豊かな想像力がひかる織物の歴史~ 藤田泉
・連載・チリ交春秋 第27回「お呼びでない」 岩井和一郎

【ヨコ書き目次】
・連載・OMON CHANのページ un peu 27 「ありがとう」
・特集・羊毛を洗う Part3 洗剤5種を使って洗い比べてみる
・先染め/後染め 第4回 草木染めの布フェルトを検証して 吉谷美世子
・連載・一枚の布を無駄なく使う 第5回 ピンタックのロングブラウス つくるひと・中村咲子
・連載・あそびごころ vol.4 「房をたのしむ」タテガミを作る oriori 洲崎英美
・information
・おもちゃ箱